ビジネスメールを送るたびに、「この言葉遣い、相手に失礼じゃないかな?」「”では”って書いていいの?」「”メールをさせていただく”って正しい敬語?」といったモヤモヤを感じたことはありませんか?実はそれ、とてもよくある悩みです。丁寧にしたつもりでも、言い回し次第で印象がガラリと変わるのがビジネス敬語のやっかいなところ。
しかも、相手の立場やシーンによって選ぶべき言葉も異なり、「メール敬語一覧を見ても判断がつかない」「言い換えの正解がわからない」と感じる方も多いはずです。たとえば「いただく」と「頂く」ではニュアンスも違い、間違えば信頼を損なう可能性も。
そこで本記事では、ビジネスメール敬語に関する基本マナーから、メールの敬語一覧、言い回しの具体例、ビジネス敬語変換など、実務でそのまま使える表現を網羅的にご紹介します。「書き方に迷わない」ための一冊の辞書のように、どんなシーンでもすぐに使える情報が詰まっています。
- ビジネスメール敬語の基本構造を理解し文の土台を整える
- 依頼・謝罪・感謝など場面別の敬語表現を具体例で習得する
- NG敬語や誤用を事前に知りトラブル回避につなげる
- 相手別に敬語を柔軟に使い分ける実践的視点が重要である
ビジネスメール敬語の基本|今さら聞けない基礎知識

- メール敬語一覧|これだけは覚えたい基本表現
- ビジネスメールの敬語の一覧|使い方のポイント解説
- ビジネスメール言い回し一覧|丁寧に伝えるための表現集
- ビジネス敬語変換|よく使う表現の言い換え集
- メールの敬語例文|シーン別に使える便利な言い回し
- ビジネス言い回し一覧|伝え方に差がつく表現パターン
メール敬語一覧|これだけは覚えたい基本表現
ビジネスメールにおいて敬語の使い分けは、相手への印象を大きく左右します。間違った敬語を使うと、「この人、常識がないのかな?」と思われる可能性も。ここでは、まず押さえておきたい基本のメール敬語を一覧形式で紹介します。
敬語の種類と使い分けの基本
敬語は、大きく「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類に分けられます。これらをメールで正しく使うには、まず相手との関係性や立場を理解することが大前提です。
- 尊敬語:相手の動作を高める表現(例:おっしゃる、いらっしゃる)
- 謙譲語:自分の動作を控えめにする表現(例:申す、伺う)
- 丁寧語:文章を丁寧にするための表現(例:です、ます)
基本のメール敬語例一覧
・了解しました → 承知いたしました
・すみません → 申し訳ございません
・考えます → 検討いたします
・ありがとう → ありがとうございます
・行きます → 伺います
ポイント:状況に応じた使い分けを意識
例えば、「了解しました」はメールでの使用を避け、「承知いたしました」や「かしこまりました」が適切です。また、取引先や上司には「伺います」「お目にかかります」などの謙譲語を選ぶと、より信頼されやすくなります。
ビジネスメールの敬語の一覧|使い方のポイント解説
一口に「ビジネスメールの敬語」と言っても、その種類は実に多様です。ここでは、具体的なメールの場面別に使える敬語を一覧で紹介しながら、使い方のコツも解説していきます。
シチュエーション別・使える敬語表現
メールの内容や相手の立場によって、敬語の選び方が異なります。以下は、主な場面ごとの適切な表現です。
- 依頼:「〜していただけますと幸いです」「お手数をおかけしますが」
- 謝罪:「申し訳ございません」「深くお詫び申し上げます」
- 感謝:「誠にありがとうございます」「心より感謝申し上げます」
- 返信:「ご連絡ありがとうございます」「ご確認のほどよろしくお願いいたします」
使い方のコツ
「お願い」「お詫び」「お礼」の表現は特に重要です。たとえば、単に「お願いします」ではなく、「ご対応いただけますと幸いです」といった丁寧な言い回しにすることで、より柔らかな印象を与えられます。
例文:メールでの敬語使用例
お世話になっております。株式会社〇〇の△△でございます。
ご多用のところ恐れ入りますが、以下の件につきましてご確認いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
補足:社内・社外で表現を変えるべき?
はい、変えるべきです。社内では「確認しました」で済むところも、社外では「確認させていただきました」とするのが自然です。状況に応じた敬語の選択が信頼に直結します。
ビジネスメール言い回し一覧|丁寧に伝えるための表現集
ビジネスメールでの印象は、言葉選びひとつで大きく変わります。特に「言い回し」は、同じ内容でも丁寧さや気配りの度合いを左右する重要な要素。ここではよく使われる言い回しを一覧でご紹介します。
定番の言い回し例と意味
日常的に使える「言い換え」パターンを以下にまとめました。
・すぐに連絡します → 早急にご連絡差し上げます
・確認します → 確認のうえ、改めてご連絡いたします
・できません → ご希望に添えず恐縮ですが
・待っています → お待ち申し上げております
相手を気遣うクッション言葉も大事
突然の依頼や断りを入れるときは、必ずクッション言葉を使いましょう。
- 恐れ入りますが〜
- 差し支えなければ〜
- お手数をおかけしますが〜
これらの言い回しは、内容そのものを柔らかく伝える効果があり、角が立ちません。
注意点:過剰な敬語は逆効果
「ご確認いただけますと幸いに存じ上げます」など、重ね言葉や過剰表現はかえって読みにくくなりがちです。読みやすさと丁寧さのバランスが大切です。
参考リンク
敬語表現の基本を押さえたい方は、文化庁の「敬語の指針」も参考にしてください。
文化庁|敬語の指針(PDF)
ビジネス敬語変換|よく使う表現の言い換え集
普段の会話では問題ない表現も、ビジネスメールの中では失礼にあたる場合があります。そんなときに役立つのが「ビジネス敬語変換」です。ここでは、よくあるフレーズを丁寧な表現に言い換えた例を一挙にご紹介します。
カジュアル表現を丁寧に変換
よく使いがちなラフな表現を、自然で失礼のない敬語に変換しましょう。
・わかりました → 承知いたしました
・すみません → 恐れ入ります、申し訳ございません
・どうしますか? → いかがなさいますか?
・これでいいですか? → こちらで問題ございませんでしょうか?
・ちょっと待ってください → 少々お待ちいただけますでしょうか?
変換のポイント
- 「〜ですか?」は「〜でしょうか?」に
- 主語を自分に置くときは、謙譲語を使う(例:「行きます」→「伺います」)
- 「すぐ」や「ちょっと」などのあいまい語は避ける
よくあるNG例
「了解です」や「了解しました」はメールでは避けた方がよいとされています。代わりに「承知しました」や「かしこまりました」を選びましょう。また、「どうしたらいいですか?」のような表現も砕けすぎており、「ご指示いただけますと幸いです」と言い換えるのが丁寧です。
メールの敬語例文|シーン別に使える便利な言い回し
メールで敬語を使う際、シチュエーションによって表現を変えることが重要です。ここでは、依頼・返信・お礼・謝罪・報告など、ビジネスシーン別に使える敬語表現の例文をご紹介します。
依頼の場面
お忙しいところ恐縮ですが、資料のご確認をお願いいたします。
ご対応いただけますと幸いです。
返信時の言い回し
ご連絡いただきありがとうございます。
内容を確認のうえ、後ほど改めてご連絡いたします。
お礼メール
このたびは迅速なご対応、誠にありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
謝罪メール
このたびはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
以後、再発防止に努めてまいります。
報告の表現
ご依頼いただきました案件につきまして、以下の通りご報告申し上げます。
シーンに応じた表現を選ぶことで、誤解のない丁寧なやり取りが実現します。参考資料として、厚生労働省のビジネスマナー資料も有用です。
厚生労働省|ビジネスマナーの基本(PDF)
ビジネス言い回し一覧|伝え方に差がつく表現パターン
ビジネスメールでは、同じ内容を伝えるにも言い回しの工夫が印象を大きく変えます。ここでは、印象を良くし、相手の理解を助ける言い回しのパターンを一覧でご紹介します。
柔らかくする表現
- 「すぐに」→「早急に対応させていただきます」
- 「必要です」→「ご対応いただけますと幸いです」
- 「できません」→「ご希望に添えず、申し訳ございません」
丁寧な確認表現
- 「〜でいいですか?」→「〜で問題ございませんでしょうか?」
- 「〜してください」→「〜していただけますと幸いです」
注意したい表現ミス
たとえば、「参考になりますか?」という表現。丁寧に言いたい場合は、「ご参考になれば幸いです」に言い換えると、ぐっと印象が良くなります。
ご確認のうえ、修正点などございましたらご教示いただけますと幸いです。
プラスαの配慮
「恐れ入りますが」や「差し支えなければ」といったクッション言葉を添えることで、相手に配慮している印象を与えることができます。これらは単なる丁寧表現ではなく、関係性を円滑にするツールでもあります。
ビジネスメール敬語の応用と注意点|言い換えやNG表現も解説

- メール言い換え【ビジネス編】|印象アップの表現テクニック
- 「では」ビジネスメール言い換え|自然で丁寧な導入表現とは
- ビジネスメールで「それでは」は敬語?|使い方の注意点
- 「メールをさせていただく」は敬語として使える?|正しい使い方解説
- ビジネスメールでは「いただく」と「頂く」のどちらを使うべき?
- 【保存版】ビジネスメール敬語の例文まとめ10選
- ビジネスメール敬語のNG例|避けたい失礼な表現とは
- ビジネスメール敬語のコツ【初心者向け完全ガイド】
- 【保存版】ビジネスメール返信テンプレート集|定型文から応用まで
- ビジネスメールの敬語を総括
メール言い換え【ビジネス編】|印象アップの表現テクニック
ビジネスメールでは、ちょっとした言い回しの工夫が相手への印象を大きく左右します。丁寧で自然な表現を選ぶことで、信頼感や誠実さが伝わりやすくなるのです。ここでは、日常的によく使われる表現を、ビジネスにふさわしい言葉へと置き換えるコツをご紹介します。
言い換えで柔らかくするポイント
メールは文字だけで気持ちを伝えるツールです。そのため、言い方一つで冷たくもなれば、温かくも見えます。以下のような表現は、より相手に配慮した印象を与える言い換え例です。
・わかりません → 把握しておりません
・すぐに送ります → 至急お送りいたします
・確認してください → ご確認いただけますと幸いです
・間違っています → 誤りがあるようですのでご確認ください
・会いたいです → お目にかかれますことを楽しみにしております
注意すべき口語表現
「了解しました」「どうしますか?」「ちょっと待ってください」などは、口語的すぎてビジネスメールでは不適切と判断されることがあります。これらは敬語に変えることで、品のある文章になります。
表現を整えるメリット
- 受信者のストレスを減らせる
- トラブルや誤解の防止につながる
- 社外との信頼関係を築く手助けになる
「では」ビジネスメール言い換え|自然で丁寧な導入表現とは
「では、よろしくお願いします」「では、ご確認ください」といった表現は、ビジネスメールでもよく見られます。しかし、あまりにもカジュアルな印象を与えることがあるため、目上の方や社外の相手には避けた方が無難です。
「では」の敬語的な言い換え方
「では」は口語的表現のため、書き言葉では以下のように言い換えると丁寧さが増します。
・では、ご確認ください → ご確認のほど、よろしくお願いいたします
・では、失礼いたします → それでは、失礼いたします または 以上、何卒よろしくお願い申し上げます
・では、よろしくお願いします → 何卒よろしくお願いいたします
言い換えのポイント
- 「では」を文頭に置かず、文章の中で柔らかく整える
- 状況や相手との関係に応じて「それでは」「何卒」などのクッション表現を加える
- 文末を「〜いただけますと幸いです」や「〜いただければと存じます」にすると、より丁寧
一見シンプルな「では」ですが、言い換えひとつで印象が変わります。状況に応じた適切な表現を選びましょう。
ビジネスメールで「それでは」は敬語?|使い方の注意点
ビジネスメールで「それでは」を使うことに不安を覚えたことはありませんか? 実は「それでは」は丁寧語の一部ではありますが、使い方次第でカジュアルに見えることがあります。ここでは、正しい使い方と注意点を解説します。
「それでは」の本来の意味と使い方
「それでは」は、「それ」+「では」という組み合わせで、「そのような状況であれば」という意味を含んでいます。丁寧な接続詞として使う場合は文脈と相手への配慮がカギとなります。
・それでは、よろしくお願いいたします。
・それでは、当日お待ちしております。
・それでは、失礼いたします。
注意が必要なケース
- 上司や取引先への文面では、より丁重な言い回しを選ぶ方が無難
- 「それでは」ばかり連発すると文章が単調に見える
- 内容によっては「引き続きよろしくお願いいたします」などの表現が適していることも
代替表現の提案
ややフォーマルな表現にしたい場合は、以下のような言い換えが効果的です。
・それでは → つきましては/以上をもちまして/何卒よろしくお願い申し上げます
文脈と受信者の立場を考え、「それでは」に頼りすぎない表現力を身につけましょう。
「メールをさせていただく」は敬語として使える?|正しい使い方解説
「メールをさせていただく」という表現、あなたも一度は使ったことがあるのでは? 実はこの表現、謙譲語+丁寧語の複合形として、敬語として成立しています。ただし、何にでも使える「万能な敬語」ではありません。使い方によっては、違和感や不自然さを与えることがあるため注意が必要です。
敬語の構造を理解しよう
「〜させていただく」は、相手の許可や恩恵を受けて自分が行動するというニュアンスを含む二重敬語的な表現です。たとえば「メールを送る」という行動に対して「メールをさせていただきます」とすることで、相手への配慮を示せます。
使用が適しているケース
- 相手に迷惑がかかるかもしれない行動を丁寧に伝えたいとき
- 初めての連絡や、大切な要件を送るとき
- 許可や合意の上で行動を行う場合
注意すべき使用例
一方で、「何度も使いすぎる」「社内メールにも多用する」などのケースではくどく聞こえる可能性があります。また、自己都合の内容に「させていただく」を用いるのは不適切です。
NG例:「急いでおりますので、先に送らせていただきます。」
→自分都合なので「送らせていただきます」は不自然。
OK例:「ご承認をいただけましたら、メールを送らせていただきます。」
→許可を前提としているため自然。
「メールをさせていただく」は、相手への配慮が前提となる表現。シーンを見極めて使い分けることが大切です。
ビジネスメールでは「いただく」と「頂く」のどちらを使うべき?
メール文面を作っているとき、「いただく」と「頂く」、どっちを使うべきか迷った経験はありませんか? これは漢字とひらがな、どちらが適切かというビジネスライティングにおける重要なポイントです。
結論:基本は「いただく(ひらがな)」で統一
文化庁の「公用文作成の要領」によれば、補助動詞はひらがな表記が望ましいとされています。「いただく」は補助動詞として使われることが多いため、原則的にひらがなで書くのが適切です。
例文で比較
× ご連絡を頂きありがとうございます。
○ ご連絡をいただきありがとうございます。
文章全体の読みやすさや品格を保つ上でも、ひらがな表記が推奨されます。ただし、「いただく」が独立して使われる場合や強調したいときに漢字表記を使うことは例外的にあります。
補助動詞と本動詞の違い
補助動詞:ほかの動詞を補い、丁寧さを加える動詞(例:書かせていただく)
本動詞:それ単体で動作を意味する(例:ご飯をいただく)
このように、文脈によって使い分ける必要がありますが、ビジネスメールでは「いただく(ひらがな)」を原則に覚えておきましょう。
【保存版】ビジネスメール敬語の例文まとめ10選
ビジネスメールにおける敬語の使い方は、社会人としての常識が問われる重要なスキルです。とくに初対面の相手や取引先とのやりとりでは、丁寧で適切な言葉選びが信頼関係の土台を築くうえで欠かせません。
ここでは、実務の現場で頻繁に使われている敬語フレーズを10個厳選し、それぞれの使用シーンや意味、注意点とともに紹介します。新入社員からベテランの方まで、今すぐ使える実用的な内容に仕上げています。
1. お世話になっております。
定番中の定番! メール冒頭での挨拶に使用。取引先・社外の相手に対して使いましょう。
例:「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の△△です。」
2. ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
資料や内容を確認してほしいときに便利。丁寧な依頼表現です。
例:「添付ファイルをご確認のほど、よろしくお願いいたします。」
3. 恐れ入りますが、〜いただけますでしょうか。
お願いごとを丁重に表現したい場合に有効。へりくだった印象を与えられます。
例:「恐れ入りますが、ご対応いただけますでしょうか。」
4. ご多忙のところ恐縮ですが、〜
相手の忙しさに配慮しつつ依頼する表現です。
例:「ご多忙のところ恐縮ですが、会議資料のご確認をお願いいたします。」
5. 〜させていただきます。
自分の行動に対する謙譲の意を示す定番表現。
例:「後ほど改めてご連絡させていただきます。」
6. 引き続き、よろしくお願いいたします。
継続的な付き合いや作業の依頼に適しています。
例:「今後とも引き続き、よろしくお願いいたします。」
7. お手数をおかけして申し訳ございません。
相手に負担をかけることへの謝罪として使います。
例:「お手数をおかけして申し訳ございませんが、再送いただけますと幸いです。」
8. お力添えのほど、よろしくお願いいたします。
協力をお願いする際に使える丁寧な言い回しです。
例:「本件につきまして、お力添えのほどよろしくお願い申し上げます。」
9. ご対応いただき、ありがとうございました。
感謝の気持ちを表す丁寧な表現。事後フォローにも有効です。
例:「迅速にご対応いただき、誠にありがとうございました。」
10. 今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
締めくくりとして使われる表現。形式的ながらも丁寧な印象を与えます。
例:「今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。」
これらのフレーズをうまく使いこなせるようになれば、どんな相手にも失礼なく、信頼感をもって接することができるようになります。場面に応じた言葉の選び方を心がけ、敬語表現の引き出しを増やしていきましょう。
ちなみに、敬語の使い方やルールをより正確に知りたい場合は、文化庁|敬語の指針を参照すると、公的な基準に基づいた情報を得ることができます。
ビジネスメール敬語のNG例|避けたい失礼な表現とは
ビジネスメールでは敬語を使うのが基本ですが、「敬語を使っているつもり」でも、実は失礼な表現になっているケースが少なくありません。間違った敬語は、相手に不快感を与えたり、あなたの信頼性を下げたりする恐れがあります。
ここでは、特に注意すべきNGな敬語表現とその理由、さらに代替となる適切な言い回しを紹介します。
NG表現1:「ご苦労さまです」
目上の人に対して使うのは避けましょう。この言葉は立場が上の人が部下などにかける言葉とされています。
誤:「本日はご苦労さまでした。」
正:「本日はお疲れさまでした。」
NG表現2:「了解しました」
カジュアルに聞こえるため、目上の人や取引先への返答としては不適切です。
誤:「了解しました。確認しておきます。」
正:「承知いたしました。確認させていただきます。」
NG表現3:「参考になりました」
一見、問題なさそうに見えますが、上から目線と取られる可能性も。
誤:「ご意見、参考になりました。」
正:「貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。」
NG表現4:「すみませんが〜」
「すみません」は口語的でやや軽い印象を与えます。正式な文書では控えましょう。
誤:「すみませんが、お時間いただけますか?」
正:「恐れ入りますが、お時間をいただけますでしょうか?」
このような表現は、「敬語っぽいけど実は失礼」という落とし穴に陥りがち。特に社外の人とのやりとりでは、相手の立場をきちんと尊重した言葉選びが大切です。
ビジネスメール敬語のコツ【初心者向け完全ガイド】
敬語に不安がある方でも大丈夫! ビジネスメールでの敬語には一定のルールがあり、それを押さえれば自然で丁寧な文面が書けるようになります。
ここでは、初心者の方でもすぐに実践できる「敬語の使い方のコツ」を、パート別にわかりやすく解説します。
挨拶文は簡潔かつ丁寧に
最初に名乗るのが基本です。初回メールでは特に自己紹介を丁寧に。
例:「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の△△でございます。」
依頼・確認は曖昧さを避ける
お願いする際は、明確な表現と期限をセットにするのが鉄則です。
例:「〇日までにご返信いただけますと幸いです。」
断りや謝罪も礼儀正しく
断るときや謝るときは、まず謝意を示し、代案を提示できるとベストです。
例:「ご期待に添えず申し訳ございません。次回の機会にぜひご一緒させていただければと存じます。」
文末の締めも丁寧に
メールの最後は、今後の関係を意識した文言にすると好印象です。
例:「引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。」
「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」のバランスを意識することも大切。文化庁の「敬語の指針」では、これらの使い分けについても詳しく紹介されています。詳しくは文化庁|敬語の指針をご参照ください。
【保存版】ビジネスメール返信テンプレート集|定型文から応用まで
ビジネスメールにおける返信の形式には一定の型があります。メールは早さと丁寧さが命! ここでは、用途別にすぐに使えるテンプレートを紹介します。
会議日程の調整に返信
ご連絡ありがとうございます。
〇月〇日(〇)14:00からのご予定で承知いたしました。
当日はどうぞよろしくお願いいたします。
資料受領の返信
資料をお送りいただき、誠にありがとうございます。
内容を確認のうえ、追ってご連絡差し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。
お詫びに対する返信
ご丁寧なお詫びのご連絡をいただき、ありがとうございます。
お気になさらないでくださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。
社内連絡への返信
ご連絡ありがとうございます。
内容、承知いたしました。
引き続き、よろしくお願いいたします。
こうしたテンプレートを活用すれば、スムーズな対応ができるだけでなく、相手に対する配慮や礼儀正しさも伝わりやすくなります。
ビジネスメールの敬語を総括
- 敬語の基本は尊敬語・謙譲語・丁寧語
- 文章の冒頭には丁寧な挨拶を入れる
- 承諾や了解は「承知しました」と表現
- 「すみません」は「申し訳ありません」に変換
- 依頼にはクッション言葉を添えて印象アップ
- 返信には「ご確認のほどお願いいたします」
- お礼は必ず文末または文中に明記する
- 断る際も謝意と代案を添えるのがマナー
- 文末は「何卒よろしくお願いいたします」で締め
- シーン別に敬語を正しく使い分ける
- 「了解」などのNG表現は避ける
- 「いただく」は原則ひらがなで書く
- 「〜させていただく」は適切な場面で使う
- 初対面・社外にはより丁寧な敬語を選ぶ
- 常に相手の立場を意識して表現を選ぶ