ビジネスの現場では、断る必要のある場面が避けて通れません。業務依頼を受けられないときや、提案のお断りをしなければならないとき、どのように伝えれば角が立たず、関係性を壊さずに済むのか―それが悩みどころです。特にメールでのやり取りは文字だけで意図を伝えるため、ちょっとした表現ミスが誤解を生みかねません。
「やんわり断るにはどうしたらいいのか」「丁寧な断り方を知りたい」「当たり障りのない返信の例文がほしい」…そんなお悩みを持つ方は少なくないはずです。
加えて、相手が上司や取引先など目上の立場であればあるほど、表現にはより一層の注意が必要になります。断り方ひとつで信頼関係を損ねてしまう可能性もあるからです。
この記事では、ビジネスで使えるメール例文を通して、丁寧で角が立たない断り方を具体的にご紹介します。読んだその日から使える実用的な内容をお届けしますので、安心して読み進めてください。
- やんわり断るための基本構成が理解できる
- 状況別に使える断りメールの例文がわかる
- 角が立たない断り表現のコツが学べる
- 相手に配慮した返信マナーが身につく
断り方のビジネスメール|失礼なく断るための基本マナー

- やんわり断るメール【ビジネス編】|相手を不快にさせない言い回し
- やんわり断るメール例文|依頼を断る時の具体例まとめ
- 丁寧な断り方の例文|好印象を与える断りメールとは
- 業務依頼の断りメール|依頼に応えられないときの伝え方
- 当たり障りのない断り方例文|曖昧に断る表現テクニック
- お断りメール例文|よくあるシーン別テンプレート集
やんわり断るメール【ビジネス編】|相手を不快にさせない言い回し
ビジネスシーンでは、依頼や誘いをお断りしなければならない場面が多々ありますよね。ただ、無下に断ってしまうと「冷たい」「配慮が足りない」と誤解を招くことも…。相手との関係を保ちつつ、上手に断るには“言い回しの工夫”が欠かせません。
やんわり断るときの基本構成
やんわり断るメールの基本構成は以下の通りです。
- お礼・感謝の気持ちを先に述べる
- 断る理由を簡潔に、曖昧に述べる
- 今後の関係性を重視する姿勢を示す
たとえば、断る理由を「現在の状況では〜」などとすることで、個人的な否定ではない印象を与えます。
避けたい表現とその代替
「できません」「無理です」などの断定的な否定語は避けるのが基本です。代わりに「今回は見送らせていただきます」「あいにく〜」などを使うと柔らかい印象になります。
相手への配慮を忘れずに
依頼してくれたことへの感謝は冒頭や結びでしっかり伝えましょう。そうすることで、断る行為自体がネガティブに受け取られにくくなります。
こんなケースに注意
相手が上司や取引先など、立場が上の場合には、より一層丁寧な表現を意識しましょう。敬語や謙譲語の使い方にも気を配ることが大切です。
参考リンク
ビジネスマナーに関する詳細は、日本能率協会などのビジネス研修機関でも学べます。
やんわり断るメール例文|依頼を断る時の具体例まとめ
それでは、実際にやんわり断るメールをどう書けばよいのか、場面ごとに具体例を交えて紹介します。ここでは特に「業務依頼」「参加のお誘い」「提案に対する返信」など、よくあるシチュエーションに分けて紹介します。
業務依頼を断る場合の例文
〇〇様、いつもお世話になっております。
このたびはお声がけいただきありがとうございます。
あいにく現在、他案件との兼ね合いで十分なお時間を確保することが難しい状況です。
せっかくのご依頼ではございますが、今回は見送らせていただければと思います。
また別の機会にお手伝いできることがございましたら、ぜひお知らせください。
イベントや食事の誘いを断る場合
〇〇さん、お誘いありがとうございます!
とても嬉しいのですが、残念ながらその日はすでに別件が入っておりまして…。
次の機会にぜひご一緒できたらと思っています。また予定を教えてくださいね。
提案をお断りするメール例
〇〇株式会社
△△様
このたびは丁寧なご提案をいただき、誠にありがとうございます。
社内で慎重に検討させていただきましたが、現時点では導入を見送らせていただく運びとなりました。
ご尽力いただいたことに感謝申し上げるとともに、また別の形でご相談させていただけると幸いです。
使いやすい言い回し集
以下の表現は、多くの断りメールで応用可能です:
- 「あいにくですが〜」
- 「今回は見送らせていただきます」
- 「また別の機会に」
- 「今後ともよろしくお願いいたします」
丁寧な断り方の例文|好印象を与える断りメールとは
ビジネスの場では、単に断るだけでなく「印象良く断る」ことが求められます。特に継続的な関係性を重視する企業間のやりとりでは、断り方ひとつで信頼に関わることも。
印象を左右するポイント
丁寧な断り方には、次の3つの要素が含まれます:
- 感謝の気持ちを明確に伝える
- 断る理由を「自分の都合」に寄せる
- 将来の可能性を残す表現にする
例文|好印象を与える断り方
〇〇株式会社 御中
△△様
このたびは、ご提案いただき誠にありがとうございました。
大変興味深く拝見いたしましたが、現在の弊社の方向性とはやや異なるため、慎重に検討のうえ見送らせていただくことといたしました。
今後のご発展をお祈り申し上げますとともに、またの機会にぜひご相談できれば幸いです。
注意点|否定的な印象を避けるには
「お断りします」「不要です」などの断定表現は避けるのがポイント。少し遠回しにしながらも、意思が明確に伝わるよう心がけましょう。
書き出しと結びも丁寧に
「お世話になっております」「ご多忙の中〜」といった書き出しと、「今後ともよろしくお願いいたします」などの結び文は丁寧さを印象付ける重要なポイントです。
業務依頼の断りメール|依頼に応えられないときの伝え方
ビジネスでは、日々さまざまな「業務依頼」が舞い込みますが、すべてに応じることは現実的ではありません。リソースの都合、業務の優先順位、方針との不一致などが理由で断らざるを得ない場面は、誰にでも起こり得ます。そんな時に求められるのは、誠実さと相手への敬意を忘れない伝え方です。
断りの基本姿勢は「誠意+配慮」
相手は時間と労力をかけてあなたを選んで連絡しています。その思いを無視した一方的な拒否では、今後の関係性にも響く可能性があります。断る際には、以下のようなポイントを意識しましょう。
- まずは依頼に対する感謝を述べる
- 断る理由は「やむを得ない事情」でやんわり伝える
- 代替案や次回につながる一言を添える
業務依頼を断る例文
〇〇様
お世話になっております。
このたびはお声がけいただき、誠にありがとうございます。
恐縮ではございますが、現在進行中の案件の都合上、十分な対応が難しく、ご依頼をお引き受けすることができかねます。
ご期待に添えず申し訳ございませんが、また別の機会にお力添えできれば幸いです。
参考リンク
ビジネスマナーに不安がある方は、日本ビジネス能力認定協会の公開情報も参考になります。
当たり障りのない断り方例文|曖昧に断る表現テクニック
ストレートな「NO」が難しい場面って、ありますよね?特に社内外の関係性が繊細なときは、角が立たない曖昧表現でやんわり断るのが得策です。直接的に断るのではなく、相手に「察してもらう」スタイルが求められます。
当たり障りのない言い回し
以下のような表現は、受け手に配慮しつつ、自分の意思を伝える際に使いやすいフレーズです。
- 「今は調整が難しい状況です」
- 「一度検討させていただきたく」
- 「社内で協議のうえ、今回は…」
直接的な否定を避けることで、相手にも一定の余地を残すことができます。
曖昧に断る例文
〇〇様
お世話になっております。
このたびはお申し出をいただき、誠にありがとうございます。
大変ありがたい内容ではございますが、現在の社内体制やタイミングの観点から、今すぐには対応が難しい状況です。
また状況が変わりましたら、こちらから改めてご連絡差し上げたく存じます。
曖昧な表現にも誠意を込める
曖昧さは時として「逃げ」とも受け取られます。言葉の選び方だけでなく、文面全体から「礼儀」と「思いやり」を伝えることが大切です。
お断りメール例文|よくあるシーン別テンプレート集
お断りメールと一口に言っても、その内容や目的はさまざまです。ここでは「提案の辞退」「価格交渉の拒否」「人材紹介の断り」といった、よくあるビジネスシーンを想定したテンプレートを紹介します。
提案の辞退メール例
〇〇株式会社 御中
このたびはご提案をいただき誠にありがとうございます。
慎重に検討させていただきましたが、現在の弊社の方針とは合致せず、今回は見送らせていただきたく存じます。
また今後のご提案を楽しみにしております。
価格交渉の断りメール例
〇〇様
お世話になっております。
ご希望いただきました価格について社内で再度検討いたしましたが、弊社の原価・サービス品質維持の観点から、ご要望にはお応えいたしかねます。
何卒ご理解いただけますと幸いです。
人材紹介の辞退メール例
〇〇様
いつもご支援を賜りありがとうございます。
ご紹介いただいた人材について、社内にて検討を行いましたが、今回は条件に合致せず採用を見送ることとなりました。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
状況別に応じた文面を用意するのがカギ
断り方に「万能な正解」はありません。状況に合わせて適切なテンプレートを選ぶことが、円滑なビジネスの第一歩です。
断り方【ビジネスメール】|ケース別の例文と応用テクニック
![How to decline [Business email] Example sentences and practical techniques for each situation](https://taishokudaikou-service.com/wp-content/uploads/2025/04/2How-to-decline-Business-email-Example-sentences-and-practical-techniques-for-each-situation-640x360.webp)
- お断りメール返信例文|依頼や提案への返答パターン
- 提案のお断りメール|角を立てずに断るメールの工夫
- ビジネスで丁寧な断り方の例文|社外・社内どちらも対応可
- ビジネスでやんわり断るメール例文|断っても信頼関係を維持
- 【ビジネスメール】断りの例文|失礼にならない定型文とは
- ビジネスで角が立たない断り方の例文|メール文面の注意点
- 断り方のビジネスメールを総括
お断りメール返信例文|依頼や提案への返答パターン
ビジネスシーンでよくあるのが「ご提案ありがとうございます」に始まる依頼や申し出への返信です。しかし、すべての内容に賛同できるとは限りません。断る際にも相手の立場や労力を尊重する姿勢が大切です。ここでは、状況別に使える返信文の型をご紹介します。
お断りメールの返信で意識すべき要素
- 感謝の気持ちを最初に述べる
- 断る理由は主観よりも客観性を重視
- 「今後の機会」や「別の形での関係継続」を示唆する
依頼を断る返信例文
〇〇様
このたびはご依頼をいただき誠にありがとうございます。
誠に恐縮ではございますが、現在の業務状況により十分な対応が難しく、ご希望にはお応えできかねます。
またの機会がございましたら、ぜひご相談いただけますと幸いです。
提案に対する返信例文
〇〇株式会社 御中
このたびはご提案を賜り、誠にありがとうございました。
社内にて慎重に検討させていただきましたが、現時点では弊社方針との整合性が取れず、採用を見送らせていただきたく存じます。
また新たなご提案がございましたら、ぜひご連絡ください。
提案のお断りメール|角を立てずに断るメールの工夫
提案を断るとき、ストレートに「お断りします」と書いてしまうと、相手のモチベーションを損なうことも。ビジネスでは、今後の関係性を見越して、「断りながらも関係は続けたい」というニュアンスをうまく伝えるテクニックが必要です。
断りつつ配慮する言い回しの工夫
以下のような表現を織り交ぜると、柔らかな印象を与えることができます。
- 「社内で協議の結果、今回は…」
- 「大変魅力的なご提案ではありますが…」
- 「今後の参考にさせていただきたく存じます」
提案を断る丁寧なメール例
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
このたびは大変有意義なご提案をいただき、心より感謝申し上げます。
誠に恐縮ではございますが、社内にて検討の結果、現段階では導入の見送りを決定いたしました。
今後のご活躍をお祈り申し上げるとともに、またの機会がございましたらぜひよろしくお願いいたします。
ビジネスで丁寧な断り方の例文|社外・社内どちらも対応可
社外はもちろん、社内でも断らなければならない場面は頻繁にあります。例えば「別部署からの協力依頼」や「上司からの打診」など。ここでの断り方に差が出るのが、社内外を問わず通用する丁寧なメールマナーです。
社内の断り方に必要な配慮
同じ会社内のやり取りでは、言葉選びが少し変わります。
- 相手の立場を立てる
- 断りの理由は簡潔にかつ納得できるよう説明
- 感謝と次のアクション(代替案)を忘れない
社内での断りメール例
〇〇さん
ご相談いただいた件、誠にありがとうございます。
大変申し訳ないのですが、現在他案件の対応に追われており、当該内容に関しては十分な対応が難しい状況です。
ほかにご協力いただける部署をご紹介することも可能ですので、ご希望がありましたらお知らせください。
社外への丁寧な断り方例
〇〇株式会社 御中
いつも大変お世話になっております。
このたびはご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
慎重に社内で協議いたしました結果、現段階では貴社のご要望に応じかねる結論に至りました。
何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
ビジネスでやんわり断るメール例文|断っても信頼関係を維持
ビジネスでは、時に「イエス」より「ノー」が求められる場面もあります。ただし、その伝え方ひとつで今後の関係性が大きく変わることも。断りながらも信頼関係を崩さない、それが大人のメール対応術です。ここでは、やんわりとした表現を用いた断り文の工夫をご紹介します。
やんわり断るための基本構成
ポイントは3つ!
- 感謝から入る
- 断る理由は明確かつ簡潔に
- 別の形での協力や今後の連携に言及
関係維持を意識した例文
〇〇株式会社 御中
いつも大変お世話になっております。
このたびはお声がけいただき、誠にありがとうございます。
誠に恐縮ではございますが、現在のスケジュールや社内方針の都合上、今回のご依頼には応じかねますことをご理解いただけますと幸いです。
今後とも、変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
【ビジネスメール】断りの例文|失礼にならない定型文とは
断る内容であっても、表現を選べば印象は大きく変わります。とくにビジネスメールでは、「定型文」をベースにアレンジすることで失礼のない文面を作ることができます。テンプレートを活用しつつ、相手や状況に合わせたカスタマイズも欠かせません。
定型文が役立つシーンとは?
たとえば以下のようなケースでは、汎用的な定型文が活躍します。
- 取引先からの価格交渉の断り
- イベント参加依頼の辞退
- アンケート・広告掲載の要請への不参加
失礼にならない定型文例
〇〇様
このたびはご連絡いただき、誠にありがとうございます。
ご提案につきまして、慎重に社内で検討いたしましたが、今回はご期待に沿いかねる結果となりました。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
ビジネスで角が立たない断り方の例文|メール文面の注意点
言い方を間違えると「冷たい印象」「上から目線」など、不要な誤解を生むこともあるビジネスメール。角が立たない断り方を意識するだけで、相手への配慮がしっかり伝わります。文面に取り入れたい注意点を見ていきましょう。
避けたいNG表現
- 「無理です」「できません」など、断定的な否定表現
- 理由を一切伝えない、唐突な断り
- 返信を投げやりに済ませる短文メール
角を立てない断り例文
〇〇様
お世話になっております。
せっかくのご依頼ではございますが、社内事情を鑑みたうえで、今回は見送らせていただくこととなりました。
ご期待に添えず大変心苦しく存じますが、何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
断り方のビジネスメールを総括
- お礼や感謝を文頭で述べる
- 断る理由はあいまいに伝える
- 関係継続の意思を表す
- 断定的な否定語は避ける
- 「見送る」を使い印象を和らげる
- 上司や取引先には丁寧語を徹底
- 断る理由は自分都合に寄せる
- 次の機会への希望を添える
- 返信文は感謝で締めくくる
- 文頭と結びで印象が決まる
- 業務依頼には代替案も提示
- 角が立たない言い回しを選ぶ
- 関係性に応じた表現を使う
- 例文を参考に文章を構成する
- 状況に応じてテンプレを使い分ける